2013年08月31日
農家の失敗集
やっと暑すぎる夏が過ぎようとしています。
農家の一年生には少々きつい夏だったかもしれないですね~
IT関係から転職した二代目はまだペース配分がつかめない様子。
体力をしっかりつけていかないといけませんが、この猛暑でがむしゃらに働いてしまってダウン!ということがよくあるらしいです。
農業は季節柄「いまでしょ!」という仕事が多いので、タイミングよくこなしていかないと後で仕事が遅れ遅れになって作業効率も落ちていきます。
雑草ひとつとっても小さいうちに取っておけばこんなに楽なのに、1週間ほったらかしにしたら手もつけられないぐらいになることもあります。
その作業配分、ペースが重要なんですが、まだ新人農家にはそれがつかめないのでオーバーペースになりがちで、作業の優先順位もわかりません。
失敗をしないにこしたことはありませんが、身をもって失敗すれば次につながります。
うちの農園も何十回か失敗していまだ連敗中ですが、最近農場長のがんばりで失敗が糧になってきているような気がします。
「農家の失敗集」とか本を作ったら売れそうですね。
一部の農家希望者に
なるべく遠回りしないように先輩から後輩に伝えていけたらいいと思います。
2013年08月26日
なかじろくん
鹿児島市内もやっとまとまった雨が降りました。
先日大騒ぎになったあの桜島の爆発による灰が少しは流れたでしょうね。
さて夏しか食べられないモロヘイヤやエンサイ、つる紫などが順調に育っています。
中には苦手な方もいると思いますが、美味しいレシピで食べたらくせになっちゃう人もいますよ。
炒めものが定番のエンサイ(クーシンサイ)。
さつま芋のつるによく似ていて、茎の中が空洞になっている野菜です。
調べてみるとヒルガオ科さつま芋属と書いてあります。
やっぱりさつま芋の仲間なんですね。
最近このエンサイを食べる虫がたくさん出始めています
ナカジロシタバという幼虫です。成虫は“ガ”みたいなやつです
これがいっぱいでてくると葉っぱがなくなっちゃうんですよね。
先週さつま芋農家の久木田さんの畑に行ったら、さつま芋畑がこのナカジロくんに荒らされていました。
エンサイとさつま芋が仲間なら、害虫も共通ですね。
しかし有機のさつま芋農家の畑なんて見ればすぐわかりますね!
葉っぱがとにかくはげちょろりんなんですよ。
この時期は葉っぱが土を埋め尽くすぐらい茂っているのが当たり前ですが、久木田さんのはほどよく食べられて土が見えています。
年によっては葉がほぼなくなって茎だけになっていることもありましたよ。
片や近くの一般の芋農家さんの畑は見事なまでのきれいな葉!
逆に違和感を感じてしまいました。
ナカジロくん、エビガラスズメくん、コガネムシにハリガネムシ・・・
次々に押し寄せる害虫に対して無農薬で対抗するっていうのは改めて難しいと思いました。
少しでも抵抗せねばということでこれ コガネムシを寄せ付けて捕まえる装置です。
中にいっぱい捕まっていました。コガネムシは芋を食べてしまうんですよね。
いろいろ苦労もあると思いますが、今年も美味しいさつま芋をよろしくお願いします。
霧島市の久木田さんご夫婦でした。
あれ? 息子はどこ行った!?
2013年08月21日
豊作の理由
霧島市の久木田さんのナスが今年は豊作してます
毎年ナスが少なくて満足にお届けできないんですが、今年は余るぐらいの豊作ぶりです。
久木田さんといえばさつま芋で、夏場はその草取りに追われますが、きっちりと他の夏野菜も管理が行き届いているようです。
研修生のおかげかな?
久木田農園研修生のツルダくん。 右はこのブログを書いてる事務局長、園山
農の雇用事業というのがあって、農業を勉強したい人を農家が受け入れればそこに助成金がでるという仕組みがあります。
園山農園でもこれまで3人の独立志望の研修生を受け入れてきましたが、年間を通して安定的に雇用できるというのはかなり大きいですね。
忙しい時期とゆっくりな時期がある農業は季節雇用が多く、年間で働いてもらうのにはハードル高いです。
そこでこの制度によってそれが実現し、「今あれをやっておけば後で楽するのに、時間がないなぁ~」という時に、かゆいところに手が届くのですね。
何より気持ちに余裕が持てて家族と過ごす時間が増えたことが一番でしょうか。
税金の使い道としてはそうですね~ シャンハイで研修するよりもずっと有効な研修方法かもしれませんね。
2013年08月12日
マクロビ料理教室
食の家族の第2回の料理教室は吉野町の“やさい村”の角屋敷まり子さんをお招きしてのマクロビオティック料理教室でした。
お盆前の忙しい時期にも関わらず忙しい先生に駆けつけてもらいました。
肉や魚、乳製品などを使わず、玄米や旬の有機野菜、穀類を中心とした自然食は若い人たちにも注目され始めています。
今回のメニューは玄米小豆はと麦ごはん、具だくさん味噌汁、かぼちゃコロッケ、ひじきとにがうりの白和え、黒ごまプリンでした。
最初にじっくりと先生の話を聞きます。なぜこのメニューを作るのか、材料や作り方にどんな意味があって、どんな効能があるかなど詳しく説明してもらいました。
たとえば玄米はビタミンやミネラルが豊富な完全栄養食品ということはわかりますが、ではなぜ玄米に小豆とハト麦を混ぜて炊くのか。
小豆には利尿作用など、腎臓の働きをよくする効果があるといいます。
ハト麦は「いぼころり」と呼ばれるほど、いぼとりだけでなく、シミやソバカス、ニキビなどの肌荒れを改善する効果があるそうです。
普通に炊飯器で玄米を炊いてもなかなか美味しく炊けませんが、圧力鍋でポイントを守ってしっかり炊くとやわらか~く食べやすい玄米になります。これなら玄米が好きになるかもしれないですね。
先生いわく市販の揚げ油には時間が経ってもあのさくさく感が長持ちする秘密の材料が使われていることがあるそうで、よく見かける惣菜コーナーの“パン粉が突き刺さったようにカリカリな”アレはそういうものの効果らしいですね。家で自然に揚げたら時間が経った時にどうしてもしんなり、べっちゃりしてしまいますが、あれが本来なんだそうです。
油も売ってるものはピンきりですよね。安い油がなぜ安いのか? それにはそれなりの理由があるのです。
かぼちゃコロッケはもっちりしていて美味しかったし、具だくさんのみそ汁もさすがですね! 味噌汁は奥が深い
肉や魚などのたんぱく質を使わなくても満足のお昼ご飯でした。
2013年08月07日
早くも味噌つくり
久しぶりのまとまった雨が大地を潤してくれました。
夏野菜の収穫スピードが加速しそうです。
でもこの暑さは外仕事には堪えますね~
ひるごろ花牟礼哲哉さん、通称はなじぃに電話すると
80歳過ぎても元気なおじいちゃんです
携帯に着信があったらちゃんと折り返してくれるあたりはまだまだ現役ですね(^^;)
さて、園山農園の食堂「森のかぞく」が好調で、要のごはん、味噌汁に使うお米と味噌が早くも在庫とにらめっこの状態です。
先週、こんなに暑い中で味噌作りを強行しました。
ふつうは気温が下がって秋ぐらいにするのがいいですが、秋を待たずに量産体制に入らねば間に合いません。
蒸した麦の粗熱をとって“もろぶた”に入れて種麹をまぶし、この季節なら一晩でふわっと白くなってきます
麦も大豆も仲間の有機農家からかき集めて、野菜も米も農園で足らなければほかの生産者に「助けて~!」という感じで。
翌日“園山いつ子さん”は夜中まで大豆を炊いて塩と麦と合わせ、機械でこねたんだそうです。
それをされたらその画像はないですよね
この味噌ボールを甕に入れて、早ければ1ヶ月で使えるようになります。
2013年08月05日
田んぼに打撃
各地の生産者から悲鳴があがるほどのこの暑さで、日頃鍛えているはずの農家もやられ気味です。
それもそのはず、新聞を見ると鹿児島市は7月の平均気温が29.4度と、全国の観測地点の中で5番目に高かったというから、合点ですね。
もうひとつは降水量の少なさ。
平年の7月比でたったの5%・・・
消費税か
これからじわじわと上がっていくんでしょうかね~
消費税は上げなくていいから、降水量をあげてもらいたい!
そういう雨の少ない状況でもなんとか野菜が育っているだけいいかもしれません。
久しぶりに里芋畑を見に行ったらひどい有り様でした。
ふつう今頃はもう自分の身長より背丈が高くなっているはずが、まだまだ腰のあたりでした。あれは不作決定ですね。
田んぼも久しぶりに見に行ったらとても出来が良い!
知り合いの農家が開発したチェーン除草機のおかげで合鴨を入れなくても草に負けることなく勢いがありました。
ところが水路沿いを上流に車を走らせること3分。
そのあたりの水源を担っている溜め池の水が危機的な状況で、いつもは見ることのない岩肌がむき出しになっていました。
ほとんど降らなかった梅雨の時に満タンに溜めれなかったのがいたかったですね。
供給能力がかなり落ちてますね~
溜め水は水路を通してざーざーと各水田に流れていきますから、まとまった雨でも降らなければそのうち枯れます。どうなるお米?
猛暑の7月でも電力は余力があったそうですが(川内原発を再稼働しなくてもいいんじゃないかい?)、田んぼの自然エネルギーは雨乞いでもするしかないようです。
2013年08月02日
自然のままに
最近の食の家族の宅配野菜は役割分担がうまくできたきたような気がします。
レギュラーやさいをたっぷり作る農家、地の利を生かしてみんなが作れない野菜を作るひと、手はかかるけどお客さんが喜ぶものを作る生産者。
野菜の生産者は8人ほどしかいませんから、その中で作るものが重なると適期にうまく売れないです。
そこで作るもの種類や量を調整したり、時期をずらして植えることで住み分けをやっています。
その効果が少しずつでてきて、年間のバランスがとれてきました。
小さい生産者グループであるがゆえにこういう調整がなんとかなっているということがあるかもしれませんが、流通量が多くなってくると“旬をずらす”ことこそが良しとされる世界があります。
例えば自然のままにみんなが作って市場に出荷すれば、同じものだけが溢れて値段も安くなって農家が共倒れするじゃないか、という考えが一般的だと思います。
だから夏野菜をハウスの中で冬場に作って旬をさける。スーパーには鹿児島産の夏野菜が途切れずとはいかなくても年中置かれる。
消費者としては便利になったかもしれませんが、その代償はどうでしょうか。
ハウスで暖房を使えば燃料は海外からの輸入。
旬に作れば農薬も少なくて済むところを、虫害や病気対策に余計に農薬を使います。
日本は面積当たりの農薬使用量は世界トップクラスです。
化学肥料もたくさん使いますね。
これは文字通り化学的に作られた肥料ですが、野菜に対して効きもいいし、形が揃ったりと「夢の肥料」だったわけですが、環境への負荷とか、人体への影響は軽く見られています。
「国産だからイコール安全」なのか。 TPPに反対するのと同時に日本農業は足元を見つめてみないといけないですね。