2012年08月29日
雑草の中にニンジン
台風15号はかなり強い風と雨をもたらしましたが、幸い大きな被害はなくほっとしています。
でもオクラやきゅうりなどに一部影響があったようです。
15号のあとに14号が追いかけてくるというのも珍しいですね。
ついに里芋を前園さんが掘ります
さすが暖かい指宿は早いですね~
今年は里芋にとっては雨が多かった点はよかったのかもしれません。
雨が多ければ葉がぐんぐん大きくなって周りの雑草を抑えてくれるので、草取りの手間が省けます。
水分が必須なのがこの里芋です。
ところがこんなに雨が降ってるのは西日本だけのようです。
東日本は水不足の地域が多いらしいです。こちらの雨を分けてあげたいですね。
鹿児島は幸か不幸か台風の接近によってたっぷりの雨が降っています。
おかげで種まきシーズンの畑が助かっています。
日曜日は生産者部の勉強会で湧水町の園山農園に見学に行きましたが、人参の本葉が出ていてとても元気です。
しかし雑草もすこぶる元気で、もうすでに草に隠れて人参が見えなくなっている場所もあります。


その中に人参が隠れているんです。たった3日でこんなに勢いよく茂るのが雑草パワーです。

あの雑草にうもれた?人参畑を見た久木田農園の若社長が
「これを見たら安心した。まだうちも大丈夫だな!わっはっは~!」
と、余裕の表情でした。
寒くなるまでひたすら草をとり続けるのが人参作りの使命です。
でも雨が多い年は気をつけないと、抜いた雑草がまた根を張りはじめて元の木阿弥・・・ということもよくあるので注意が必要です
雑草のとり方もコツがいるなら、抜いた雑草の始末にもひと手間いるんですよ。
たかが草取り、されど草取りです。
昼食は栗野岳のてっぺんにあるカフェミースで食べました。園山農園の有機野菜を使っていただいています。

今年も11月11日のオーガニックフェスタに出店してくれるかな?


2012年08月26日
種をまもる
環境未来館で「緑の未来とシードボール作り ~種にまつわるまきもどし編~」に参加してきました。
NPO法人PandAの早川さんがシードボールについて説明し、園山は野菜の生産者という立場から、種を保存することの大切さを話させていただきました。
シードボールとは、畑の土や粘土などと種を混ぜ合わせてこねた種入り泥団子です。
こうすることで種が粘土に守られ、砂漠などの緑化に役立つそうです。
用意した種は春菊や小松菜、横川大根などの野菜のほか、マリーゴールドやれんげ草など10種類ほど。
これを土と一緒に混ぜて水を加えてこねるのです。
こうして種を泥の中に閉じ込めて乾燥させることで、種は守られ保存されます。
この団子が新天地に蒔かれると、砂漠であれば寒暖差で土に触れ合っている部分に水滴がつき、そこから
環境に合った種が発芽してくるといいます
種をめぐる世界情勢はますます厳しくなり、本来農家が当たり前にできるはずの「種採り」がだんだん難しい状況になりました。そういうことからも、種をしっかり守り、未来につなげることはとても大切なことです。
それを改めて再確認できたのがシードボールの持つ意味でした。
「種を大切にすることは未来を大切にすること」
農業も初心を忘れることなく、ひとつひとつの種に感謝をして作物を育てていこうと思います。
左から環境未来館の波江野さん、PandA早川さん、園山、未来館米永さん
2012年08月22日
豊作貧乏
秋が近づいてきましたね

と言っても鹿児島は春と秋が短い

暑かったと思ったらもう寒くなる、寒かったと思ったらすぐ暑くなる。
なので種まきも1週間の違いで収穫が1ヶ月変わってきます。
8月下旬といえばピンポイント雷雨

今鹿児島市内は晴れていますが、大隅半島の真戸原さんの畑は雨が降っているそうです。
種まきには好都合です

もう人参の芽が出ていますよ。新にんじん収穫は10月下旬!
そろそろ里芋も食べたくなりますね~

さといもは3月か4月ぐらいに芋を植えて、収穫がだいたい今ぐらいから始まるんですが、暖かい指宿でも今年はちょっと遅めでまだ芋が小さいそうです。
価格は高いけど芋が小さい。
もう少し待てば芋は大きくなるけど価格が下がる。
さぁそこでクエスチョン

サトイモを自分が作っている気持ちになってみてください。
次の①~③のうちどのタイミングで収穫したら儲かりますか?
①8月・・・価格は1キロ当たり500円、畑から収穫できる量は120キロ

②9月・・・価格は400円に下がる、しかし収穫量は増えて150キロ

③10月・・・価格はさらに下がって300円。収穫量はMAXの200キロ

分かりましたか?
そうです。
①、②、③とどれも60,000円になりますね。
つまりいつ収穫してもお金は一緒なんです。
市場原理としてたくさんとれた時には価格は下がり、少ない時には価格が上がる。
だから収穫がたくさんあったからといって手放しでは喜べなくて、我が家が豊作なら隣の畑も豊作ということですね~
「豊作貧乏

これと同じようなことがお米の世界でもあって、日本のコメ農家が自分の田んぼに全部コメを植えたら価格は大暴落します

それで「減反(げんたん)」といって「今年はこの田んぼはお休み」という風にやります。
必ずしも農家は作りたいものを作りたいだけ作れるわけではなくて、どこかで調整してますね。
実りの秋、今年は色んなものが豊作になりそうな予感がします

何はともあれ豊作することが一番嬉しいには違いないので、美味しいものをたくさん作りたいと思います。
2012年08月19日
オクラダイエット
エンサイは中国原産の葉野菜で空芯菜とも呼びます。
収穫はけっこう楽しくて、茎を手でポキポキと折っていくだけです。10本ぐらいを1パックに入れてお届けしています。
炒め物やお浸し、スープの具にもいいですね。
この前は収穫してパック詰めまでやって50人分を作るのに1人で3時間もかかりました。エンサイは何年かぶりに作ったのでちょっと手間取りましたね。
明日は200パック! ポキポキも飽きてきそうですね。
この前のペースでやっていたら終わらないので2倍速でやってみます。
茎をプランターにでも植えていれば育って収穫になりますよ。届いたものを葉は落として茎だけ挿しておけば面倒見の良い人は葉が茂ってくることでしょう!
ピーマンはやっとですね~
だいぶ出遅れましたが、出水の杉村さんの収穫が始まりました。
オクラも毎日収穫しているところにピーマンが始まれば忙しいですね。
ただでさえ細い長男みちおさんがまた痩せますね~(^^)
誰かこんなことを言ってました。
「消費者呼んでオクラ狩りダイエットをしよう!」
確かにかなり痩せるらしいですが、この暑さの中では過酷なのでおすすめしません(-0-;;)
10月21日には澤田さんのところで稲刈り収穫祭&東シナ海が見える絶景の杉村農園見学を予定していますので、ふるってご参加ください。
2012年08月15日
見た目が重要
我が家は県大会の決勝で神村に負けた鹿児島実業のすぐ近くです。
野球部の子たちは寮暮らしで、夕食の後も黙々とバットを振っています。
近所を散歩している人たちにもひとりひとり「こんにちは!」と元気よくあいさつする野球部生には金メダルです。
しかし一日完全休養するとそのあとがだるいですね。
軽く動いていたほうがいいとつくづく思います。
でもこの炎天下では畑に出るのもなかなかしんどい・・・
朝早い時間と夕方にピークを持ってきて、日中はゆっくり昼寝っていうのが理想的です。
食の家族でオクラを作っているのは指宿の前園さんと出水の杉村さん。
オクラは毎日収穫しなくてはならず、それもきちんと同じ時間にとらなければなりません。
大体の場合は明け方から収穫しますが、時間が遅れるとそれだけ大きくなってしまうので、場合によっては規格外品ではじかれてしまいます。
市場などは味はともかく、とにかく見た目が最重要なのです。それが流通業者にとっても都合がいいし、消費者もそういうものを好んで選ぶ。
というのが理屈なんでしょうが、もっと売り方は自由であっていいと思うし、売れるものの幅もまだ広げていいと思いますよ。
だってうちのお客さんは「美味しくない」とか「切ったら傷んでました」とかいうクレームはあっても「きゅうりが曲がってるんですけど」とかいうクレームは聞いたことがないですからね。
消費者が許容できる範囲は実はもっと広くて、規格というのは売る側の、流通の都合じゃないかと思うんです。
イタリアのスーパーには農家が収穫したままのものをどさ~っと山積みしているような雰囲気で売っていて、それをみんな迷わず買っていくんですよね。
日本は見た目が最重要、そして価格、美味しさ、安全性
有機栽培はその逆だと思っています。
そういうと「有機野菜はどこでも手に入らないじゃないか~」
と言われるので、有機の畑をどんどん拡大して、身近で買えるように頑張っていきます!
2012年08月14日
若けぇもんin阿蘇
先日は「九州・山口の若けぇもんの集い」が熊本県の阿蘇であり、鹿児島から参加してきました。有機農業者を中心とした年に1回のイベントで、40名ほどが九州中から集まりました。
先進農家の畑の見学をしたり、室内での勉強会や意見交換、夜はバーベキューを囲んで各自が持ち寄った地元のお酒を楽しむというのが例年の流れです。
会場となった南阿蘇村は先月の九州北部豪雨によって大きな被害を受けた場所で、阿蘇に向かう途中の山がすさまじく崩れているところがありました。土砂や流木が流れ込んでまだ手つかずの田んぼなども見られました。
農業の世界の中では、農薬や化学肥料を使わない栽培法という意味では私たち有機農家と同じ仲間ですが、その手段や考え方、捉え方が違って勉強になりました。今年は福岡県の糸島で自然農法を見学したり、ほかの農業を見る機会が増えました。作り手にとっては刺激になって、これからの取り組みに対して励みになるものです。
今回の見学で驚いたのは、南阿蘇村では3時間で500ミリ、3日間で800ミリというとんでもない豪雨が降ったにも関わらず、ドニーさんの畑では無農薬のきれいなキャベツが整然と並んでいたことです。高冷地ということもあるかもしれませんが、農薬を使ってもこの時期は作るのが難しいです。何かこの畑はあるな、と思いました。
2012年08月13日
お米作り、その後
お盆まっただ中ということで今日は一日ゆっくりしました。
そういえば出水の澤田さんの田んぼで田植えをしたときの写真をまだ載せていなかったな~
ということで一気にダイジェスト


とその前にお腹がすいたので澤田たみ子さんにお昼を用意してもらいました~

コメ農家の息子とパンがよく似合うこと。
そこで玄米茶、こんにゃく、けせん団子作りを体験させてもらいました。
できたてのこんにゃくに醤油をつけて食べると美味しい


で、これがこんにゃくの木

田中園さん、澤田さんのご一家のみなさん、ありがとうございました。
もう8月。鹿児島市内、橋口さんの田んぼには合鴨のヒナたちが投入されました。
これからしっかり働いてもらって、お米がとれるのは10月ごろの予定です。
2012年08月08日
かごしま伝統野菜
合鴨米の生産者がなぜかトイモガラを作っている。
そんな情報を聞きつけて車を出水市に走らせた。
見ると噂通りにたわわに実ったトイモガラがなっているではないか
なんだこの立派なトイモガラは

生まれてこのかた、こんなにきれいに管理されているトイモガラ畑を見たことがない

そう思いつつも畑を見回すとこどもの姿が・・・
カメラの前でピースをしてくれた。巨大なトイモガラにおびえる様子はみじんもない
合鴨米農家の教育がさぞいいのだろう。
その米農家は出水市在住の澤田さんだ。お母さんにおばあちゃん、奥さんに息子が2人、娘1人の7人家族。
この子は一番下のたいき君だ

トイモガラは鹿児島の伝統野菜。澤田さんによると茎の部分の皮をむいて使う。きゅうりや薄あげと合わせてなますにすると美味しいのだという。
塩もみにして酢味噌で食べたり、煮物やみそ汁の具材としてもこれまた美味しい。
鹿児島の伝統野菜をお盆に味わいたいものだ。
2012年08月05日
なんで人参ないのよ

「夏場のピーク電力」は高校野球をやっている時期の、昼間のほんの数時間の電力使用量が元になっていますから、これからピークがやってきます

ピークをずらして、原発が止まったままクールに夏を乗り切りましょう

気まぐれ台風10号がちょっとだけ風を吹かしていきましたが、雨もたっぷり降らせてくれたのはラッキーでした。
これから人参の種まきが続いていくので、水分があるのはありがたいことです。
人参は今頃種をまいたら10月の下旬には収穫になります。
栽培のポイントは種をまいた時の、土の中の水分状態です。水分がないと芽が出にくく、結果として畑の中で早く芽が出た部分と遅い部分とが現れて、その後の草取りや間引き、収穫までの作業が全部揃わなくなります

だから発芽を揃えることがにんじん作りはとても重要なのです。
冬場に土から掘りあげたあのみずみずしいにんじんをかじったら、「あ~やっぱり人参は冬だなぁ~

でも人参やじゃが芋、玉ねぎは「年間ほしい野菜」の定番ですよね。どこから来てるのか、スーパーには年中当たり前に並んでます。
じゃが芋も、もう終わりです。
ついにあのカレーセットの3種類の野菜は終了!?
スーパーだったら「なんで人参がないがよ!畑からとってきーや!」
と常連のおば様に店長が詰め寄られるところですが、うちの場合は旬の時期を皆さんが理解してくださっているので大丈夫です。野菜がとれない時期にはないし、とれない時期にはちゃんと次の旬に向けた種まきを始めていますから、楽しみに待っていてください。
さ~て野菜がない時期・・・畑を想像してみてください。芽がでて、それをかわいがって育てる農家の姿を・・・
これができたら消費者のプロだと私は思います。
2012年08月01日
台風対策グッズ
東側からくるのは珍しいパターンで、ちょっと焦りますね。
普通台風のときの天気図は南のほうを写しているので、東側から来るパターンは対応が遅れそうですね。
夕方ぐらいからかなり風が強まっていて、今現在雨が激しく降っています。
このまま通り過ぎてくれたらいいですが、さてどうなることか。台風はこういうツルもの

風にめっぽう弱いですから・・・
生産者は台風に備えて今日は台風対策でしたが、いつも時間がないんですよね~
きのうの朝ぐらいでは大した台風じゃない、熱帯低気圧に変わりそうだという感じで楽観ムードも漂っていましたが一転、強くなって風速も強まってまずまずの勢力になっています
そうすると実質半日ぐらいしか対策をとる時間がないので、できること、できないことを優先順位をつけてやらないといけません。
台風対策は野菜に防風ネットを被せたり、竹を立てて倒れないように縛ったりと野菜を守るのはもちろん、作業小屋に雨風が入らないようにしたりとかハウスが飛ばないようにとか、多岐にわたります。
ここ3年ぐらいは台風が来ていないので、台風対策グッズをさがすのも大変
何年か前に九州にひと夏4回も上陸したことがあって、そのときにお金をかけてグッズを買い揃えたんですよ。
そしたらしばらく音沙汰ないということで、宝のもちぐされになっていました。
今回は活躍してくれることでしょう
ここのところ少し乾燥していたので、雨をたっぷり降らせてくれるのは好材料!ということで前向きに迎え打ちましょう。
田植えをしたばかりの田んぼはどうかな~?影響がなければいいですが。
川上町の橋口さんの田んぼではもう合鴨のヒナが水田で活躍中。草を食べたり害虫を食べたりしています。
さあ、野菜もお米も合鴨も、この台風を乗り切ってくれ~