不揃いな野菜たち

食の家族

2013年09月04日 23:02

台風は6年ぶりに鹿児島に上陸しました。

ここ何年かは台風が近づいてはそれてを繰り返していました。

今回の17号はあっという間に近づいて今朝未明に上陸して、午前中には温帯低気圧に変わっていました。

しかし今日は日本列島中が大雨や竜巻などの災害に見舞われました。
こんな年はないですね。



3.11後に東京から鹿児島に家族で移住→湧水町園山農園で1年間研修後に独立した内海くんが初めて本格的に作ったのがニンニクとシシトウでした。




ニンニクは小粒ながらまあまあの出来。

香りはすごくよかったですねぇ~

 

シシトウも新人にしてはよく実がなっています。


有機農業一年生に夏場の作物ですすめたいのはピーマン、オクラ、ししとうです。

 

 

トマトやナスのような作物は管理が難しく、無農薬では病気や虫に対して苦戦します。


ピーマンなどはきちんと管理をしていけばコンスタントに収穫が続いていって夏場の貴重な収入源になります。

 

 

だから実際に自分が作りたいものでなくても、まずは生活の安定のためにこのへんの作物を推しますね。

 

珍しいもの好きの内海くんも“言うことを聞いて”1年目にししとうをチョイスしたので、おーさすがだなーと思いました。

 

 

ところが品種を聞いてみると「万願寺ししとう」??


京野菜で伝統的に作られているシシトウでした。

 

どこから手に入れたのか分かりませんが、ちょっと解説すると、一般的に流通してる野菜というのはほとんどが品種改良されていて、種袋には「多収穫」「高品質」などとうたわれていて、いわゆる“市場規格”に改良されてきています。

 

そういうものを有機農業であれ採用しているし、また高品質を求められています。

 

ここでいう「高品質」というのは見た目がきれいで形が揃っているってことです。市場ではコーヒーのようなテイスティングをするわけではないので、味ではなく見た目がかなり重要視されているのです。

 

 

では万願寺ししとうとはどんなものなのか?

もともと京都で作られていた伝統種ですから品種改良されていません。

ある意味ではとても貴重な存在で味も美味しいです。

 

ただし持って生まれた特徴そのままですから、形がかなり不揃いです(技術もあるのかもしれませんが)

 

さらに致命的なのは直射日光が長く当たった部分が黒っぽく変色するのです。市場的には完全にアウトです。食べてもなんら問題はないのですが。

 

 

あとで分かったことですが、そのシシトウの種袋には

「出荷用には向いていません」

 

と書いてあったそうです。

 

新婚さんいらっしゃいの文枝師匠みたいにイスから転げそうになりましたよ(-0-;;)

 

何用に販売したのだろうか? 種採り用かな。

 

この万願寺はそのままかじっても甘いです。

あとはナスと味噌炒めとか、パスタの具にしたりもいいですね。
さっと天ぷらにして塩だけでいただくとかでもOKです